【ネットろんだん】北朝鮮威嚇に盛り上がる日本 パロディー化される「無慈悲」
緊迫の度を深める朝鮮半島情勢。弾道ミサイル発射や核実験、武力攻撃の可能性に言及するなど、挑発を
エスカレートさせる北朝鮮に対し、各メディアはその一挙手一投足に注目している。一方、日本のネットでも
北朝鮮の言動は高い注目を集めているが、それは少し違った理由からのようだ。ネットで盛り上がる「無慈悲な
北朝鮮」とは-。
「(核攻撃を含む)無慈悲な作戦が最終的に承認」。今月4日、朝鮮人民軍の発表した談話が報じられると、
その極めて激しい挑発的内容にもかかわらず、ツイッターや各種掲示板の反応は意外に冷静だった。「また、
無慈悲シリーズか」-。
この反応は、北朝鮮の対外宣伝で「無慈悲な」という修飾語が多用されるところから来ている。最近の報道を
拾っただけでも、「米の核による脅迫には無慈悲な核攻撃で応える」(3月29日、朝鮮中央通信)、「(韓国に
対し)無慈悲の報復行動」(3月13日、同)、「(米国の対北金融制裁に対し)無慈悲な懲罰と第2、第3の連続的
措置で対応」(2月14日、労働新聞)などなど。
北朝鮮の脅し文句のインフレは今に始まった話ではない。2010年8月に行われた米韓合同軍事演習に
対しては「無慈悲な対応の鉄槌(てっつい)を下す」「この世の誰も体験したことのない最も厳しい懲罰」「先軍の
銃でことごとく一掃」「本当の戦争の味を見せる」など、語彙の限りを尽くして連日威嚇。言葉だけを見れば、
3年後の現在と入れ替えてもまったく違和感はないだろう。
だが、この脅迫の羅列は、必ずしも北朝鮮の意図通りの効果を生んではいないようだ。例えば「北朝鮮 無慈悲」
でグーグル検索すると、北の挑発文言を面白おかしくまとめたサイトが多数ヒットする。北朝鮮独特のレトリックは、
ネタに貪欲な日本のネット住民によって、珍妙な素材として消費されているのだ。
ある無名のネット掲示板住民は、このレトリックの過剰ぶりが、何かに似ていると指摘した。そう、フランスの
新酒ワイン、ボージョレ・ヌーボーに毎年付けられるキャッチコピーだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130414/bsj1304141732000-n1.htm つづく